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化粧品販売に許可は必要?販売免許やOEM製品について解説
2024.01.22
個人で化粧品を製造して販売する際は、許可を取得する必要があります。無許可で製造販売すると罰金が科せられるため、事前に確認しておくことが大切です。今回は、化粧品販売に必要な化粧品製造販売許可や化粧品製造許可の概要をはじめ、申請要件や取得方法について解説します。
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目次
化粧品販売に必要な許可とは?
化粧品を製造販売するための「化粧品製造販売許可」
化粧品の製造に必要な「化粧品製造許可」
化粧品製造販売許可の取得要件
申請者が欠格事由に当てはまらない
GQP省令への適合
GVP省令の適合
総括製造販売責任者の設置
化粧品販売に必要な許可を取得するまでの流れ
1.化粧品製造販売許可の要件を確認する
2.業者コードを登録する
3.必要書類を提出する
4.都道府県担当課による実地調査を受ける
5.許可証を受領し製品を届け出る
6.必要に応じ更新手続きをおこなう
化粧品販売の許可取得に必要な費用と期間
「OEM製品」なら化粧品販売の許可が不要
OEM製造を活用し化粧品販売許可にかかるコストを削減しよう
化粧品販売に必要な許可とは?
化粧品を製造して販売するには、以下の許可が必要な場合があります。
- 化粧品製造販売許可
- 化粧品製造許可
許可を受けることなく化粧品を製造販売すると、300万円以下の罰金、または3年以下の懲役刑を科せられます。化粧品の回収が必要になると、負担額が多大になることもあるため注意が必要です。
化粧品を製造販売するための「化粧品製造販売許可」
化粧品製造販売許可とは、化粧品を製造販売する際に求められる許可のことを指します。許可を必要とするのは、安全性の確保が製造販売において重要視されるためです。製造販売する予定がある事業者は、計画的に化粧品製造販売業許可の手続きを進めましょう。
複数の営業所がある場合には、総括製造販売責任者の在籍する事業所がある都道府県知事に申請します。ただし、他社で製造された化粧品を仕入れて販売するだけの場合は、手続きは必要ありません。
化粧品の製造に必要な「化粧品製造許可」
化粧品製造許可とは、化粧品を製造する業者が申請しなければいけない許可のことです。ただし、この化粧品製造の許可だけでは化粧品を売ることができません。販売したい場合には、化粧品製造許可と合わせて化粧品製造販売許可の手続きをおこないます。
また、輸入して税関を通過した化粧品を一時的に保管する場合も許可を取らなければいけません。化粧品製造許可には一般区分と包装等区分があり、製造所ごとに必要な区分の許可が必要です。
参考:薬機法「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
化粧品製造販売許可の取得要件
化粧品製造販売許可を取得するには、以下の要件を満たさなければいけません。
- 申請者が欠格事由に当てはまらない
- GQP省令への適合
- GVP省令の適合
- 総括製造販売責任者の設置
それぞれの要件について詳しく解説します。
申請者が欠格事由に当てはまらない
申請者が以下の欠落事由のいずれかに当てはまる場合、許可を受けられないことがあります。
- 許可を取消された日から3年を経過していない
- 登録を取消された日から3年を経過していない
- 禁錮以上の刑の執行が終了してから3年を経過していない
- 薬事の違反行為が認められた日から2年を経過していない
- 麻薬や大麻、あへん、または覚醒剤の中毒者
- 心身の障害により業務を適切におこなえない
- 業務を適切におこなえる知識や経験を有していない
これらの要件は申請者本人だけではなく、その法人の役員等も該当してはいけません。申請する前に、該当する事項がないかをしっかり確認しましょう。
参考:東京都健康安全研究センター「5 許可(登録)取得のための検討」
GQP省令への適合
GQPとは「Good Quality Practice」の略で、製造販売品質保証基準を指します。薬事法に基づく厚生労働省の省令で、科学的根拠に基づく製造管理をおこなうことが必要です。薬事法には、市場へ出荷する際の判定基準をはじめ、品質保証責任者の設置や文書記録の管理方法などが記載されています。化粧品製造販売許可を取得するには、省令の基準に適合することが必要です。
化粧品に関わるGQP項目には、以下のようなものがあります。
- 品質保証責任者の設置
- 品質管理業務手順書の作成
- 人員の確保
- 文書や記録の管理
参考:薬機法12条「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
GVP省令の適合
GVPは「Good Vigilance Practice」の略であり、製造販売後の安全管理についての基準です。薬事法に基づく厚生労働省の省令であり、総括製造販売責任者や安全管理責任者の業務等が記載されています。これらの継続的な取り組みにより、保健衛生上の危害の発生と拡大を防止することが主な目的です。
化粧品に関わるGVP項目には、以下のようなものがあります。
- 総括製造販売責任者の業務
- 安全管理責任者の業務
- 安全確保業務にかかわる組織や職員
- 情報収集や検討、措置の立案や実施
参考:薬機法12条「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
総括製造販売責任者の設置
化粧品製造販売許可を取得するには、総括製造販売責任者を設置しなければいけません。総括製造販売責任者が必要なのは、製造時の品質管理や製造販売後の安全管理を徹底するためです。
実は、化粧品製造販売許可の取得には総括製造販売責任者のほかに、品質保証責任者や安全管理責任者も設置しなければいけません。化粧品製造販売業においては、この総括製造販売責任者や品質保証責任者、安全管理責任者の三役を兼任することが可能です。必ずしも異なる人が担当する必要がないため、総括製造販売責任者の資格を満たせば、同時にほかの二役を兼任できます。
ただし、総括製造販売責任者になるには、以下のいずれかの要件を満たすことが必要です。
- 薬剤師である
- 高校で薬学や化学の専門課程を修了している
- 高校で薬学や化学の科目を修得後、業務に3年以上従事している
参考:薬機法17条「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
化粧品販売に必要な許可を取得するまでの流れ
化粧品製造販売許可を取得するまでの一般的な流れは、以下のとおりです。
- 化粧品製造販売許可の要件を確認する
- 業者コードを登録する
- 必要書類を提出する
- 都道府県担当課による実地調査を受ける
- 許可証を受領して商品を届け出る
- 必要に応じ更新手続きをおこなう
それぞれの項目について詳しく解説します。
1.化粧品製造販売許可の要件を確認する
申請前に、化粧品製造販売許可の要件を確認しましょう。化粧品製造販売業許可を得るには、厚生労働省令が定めた品質管理方法や製造場所の設備など、さまざまな要件が求められます。とくに人的要因は要件を満たすのが難しいといわれており、事前に確認しておくことが重要です。
法律において、化粧品製造業には「責任技術者」、化粧品製造販売業には「総括製造販売責任者」の設置が求められています。これらの責任者になれるのは、専門課程を修了した者のみとなるため、社内で適切な人材を探すのに苦労することが多いです。自社に該当する人材がいない場合は、新たに求人を募集する必要があるため、計画的に準備を進めることが求められます。
2.業者コードを登録する
化粧品製造販売許可を得るには、業者コードを登録することが必要です。業者コードとは、厚生労働省から付番されるもので、6桁と3桁からなる番号で構成されています。業者コードを取得する方法は簡単で、業者コード登録票に必要事項を記入するだけです。
業者コードは「e-Gov電子申請サービス」、または厚生労働省にFAXで登録票を提出すれば申請をおこなえます。e-Gov電子申請サービスは、さまざまな行政手続きについて申請や届出をおこなえるプラットフォームです。
3.必要書類を提出する
化粧品製造販売許可の申請時は、必要書類を提出しなければいけません。書類や様式は都道府県で多少異なりますが、以下のようなものがあります。
- 化粧品製造販売業許可申請書
- 登記事項証明書
- 業務を行う役員の診断書
- 品質管理に係る体制に関する書類
- 総括製造販売責任者の資格を証する書類
- 製造販売後安全管理の体制に関する書類
- 業務分掌表
- 手順書
- 配置図
上記はあくまで一般例です。申請先の都道府県に事前に確認することをおすすめします。
4.都道府県担当課による実地調査を受ける
必要書類の提出後、都道府県担当課による実地調査を受ける必要があります。実地調査とは、化粧品事業の申請場所に都道府県の担当者が訪問して、実地の現場確認をおこなうことです。
実地調査では、構造設備や手順書の確認、化粧品実務に関するヒアリング等がおこなわれます。特に事前準備が必要なのは、実際に定めた手順書の内容に沿っているのかどうかを確認するヒアリングです。実地調査までに、手順書等をしっかり確認しておきましょう。
5.許可証を受領し製品を届け出る
申請書類や実地調査の内容に問題がなければ、2ヶ月程度で許可証が発行されます。しかし化粧品製造販売許可を取得しても、すぐに市場に流通できるわけではありません。化粧品製造販売業者は製造販売をおこなう化粧品について、あらかじめ届け出る必要があります。化粧品の手続きが完了するまでは販売できないため、十分に注意してください。
6.必要に応じ更新手続きをおこなう
化粧品製造販売業許可は、5年の許可有効期間ごとに許可更新申請をおこなわなければいけません。その期間を超えると効力を失うため、化粧品製造販売業許可の更新手続きを失念しないように留意しましょう。更新手続きは、有効期間満了日の2ヶ月前までに、都道府県知事に更新申請書を提出します。更新申請書は「FD申請ホームページ」から取得可能です。
化粧品販売の許可取得に必要な費用と期間
化粧品販売の許可取得の費用は都道府県で異なりますが、5万~8万円程度になるのが一般的です。書類作成や手続きを専門家に依頼した場合は、総額費用が高くなることがあります。ただし、依頼先によって費用が変わるため予算に合わせて選びましょう。
化粧品製造販売業許可の申請期間は、おおむね1~2ヶ月程度です。繁忙期か閑散期かによって申請期間に差が生まれる可能性があるため、計画的に申請手続きを進めたい場合は、都道府県庁にある薬務課にあらかじめ相談することをおすすめします。
「OEM製品」なら化粧品販売の許可が不要
自社で化粧品の製造から販売まで一貫して担うには、化粧品製造販売業許可を取得することが必要です。しかし化粧品製造販売業許可を取得するには、必要書類を用意したり人材を確保したりなど、準備に多大な労力や時間がかかります。
製造販売を計画する際に負担をなるべく軽減したい場合には、化粧品製造業許可と化粧品製造販売業許可を有するOEMメーカーに製造を委託するのが有効です。自社で化粧品製造販売業許可を取得しなくても、化粧品の製造や販売をおこなえます。
どのようなブランドで売り出すのか、どのような成分を配合するのかなど相談しながら進められ、満足度の高い化粧品の製造販売が実現可能です。さまざまなOEMメーカーがありますが、自社の希望を実現できる協力会社に委託することをおすすめします。
OEM製造を活用し化粧品販売許可にかかるコストを削減しよう
化粧品製造販売業許可を取得すれば、自社で化粧品の製造から販売まで一貫して運営できます。しかし化粧品製造販売業許可の取得には、必要書類を提出したり実地調査を受けたりなど、準備に多大な労力や時間がかかることも多いです。
また化粧品製造販売業許可には有効期限があり、更新手続きをおこなう必要があります。化粧品製造販売業許可にかかるコストを削減したいなら、OEMメーカーに委託するのもひとつの方法です。どのようなブランドで売り出すのか、どのような成分を配合するのかなど相談しながら進められるため、満足度の高い化粧品の製造販売を実現できます。