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オリジナル化粧品での起業はOEMがおすすめ!メリットと成功のポイントを解説
2023.03.01
オリジナル化粧品での起業には、OEMの活用がおすすめです。自社工場や製造設備を保有する必要がないため、異業種に参入をする際のハードルを下げられます。本記事ではオリジナル化粧品で起業する方法や成功するためのポイントを解説します。
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目次
化粧品会社を起業する方法
・オリジナル化粧品を作る
・ 海外から輸入する
・ 他社製造の商品を販売する
自社で化粧品を販売する方法
・ 商品の製造から販売を自社で行う
・ 自社が製造販売元になり、商品の製造を委託する
・ 販売元は自社だが、委託会社に製造販売元になってもらい製造を委託する
化粧品で起業するには許可が必要
・ 化粧品製造業の許可が必要なケース
・ 化粧品製造販売業の許可が必要ケース
・ どちらの許可も必要となるケース
化粧品販売を行なう際には販売チャネルの確保も重要
化粧品販売で成功するための4つのポイント
・ マーケットを理解する
・ 商品コンセプトを設定する
・ ニーズがある商品を作る
・ ターゲットや戦略に合ったチャネルで販売する
オリジナルの化粧品で起業するならOEMがおすすめ
・ ブランドの知名度向上に役立つ
・ 初期コストを削減できる
・ 販売に専念できる
OEMでオリジナル化粧品を作る流れ
・ 初回打ち合わせ
・ サンプル製造・商品改良
・ 資材発注の検討
・ 梱包資材の選定・テスト
・ 処方・容器決定と最終見積もり
・ アフターフォロー
オリジナル化粧品の起業にはOEMを活用しよう
化粧品会社を起業する方法

化粧品会社を起業するには、主に以下の3つの方法があります。
- オリジナル化粧品を作る
- 海外から輸入する
- 他社製造の商品を販売する
化粧品は肌に直接触れるという性質上、成分や品質には細心の注意が求められます。化粧品は需要が高く、昨今ではインターネットを利用してマーケティングなどを容易に行えるものの、誰もが簡単に参入できないのはそういった背景があります。
しかし、そのような状況だからこそ、競争相手が比較的少なく大きなビジネスチャンスを掴める可能性があるといえるでしょう。
化粧品会社を起業する方法について、それぞれ解説します。
オリジナル化粧品を作る
化粧品会社の起業としては、オリジナル化粧品を作る方法が代表的です。オリジナル化粧品を作って販売する方法は、主に以下の2つです。
- オリジナル化粧品を自社工場で製造する
- オリジナル化粧品の製造をOEMメーカーに委託する
オリジナルの化粧品を作り、販路の確保まですべて自分で行うのは、「化粧品会社の起業」のもっともオーソドックスなイメージを具現化した方法といえるでしょう。また、オリジナル化粧品の製造をOEMメーカーに委託する方法も、化粧品会社を起業する際の方法として注目を集めています。
「OEM」とはメーカーが他社ブランドの商品を製造することです。OEMを活用すれば、自社工場や製造設備を保有しなくても、オリジナル化粧品の開発が可能です。商品企画から携わるOEMメーカーもあるため、はじめての起業でも失敗するリスクを軽減できます。
OEMとは?OEM商品を製造する目的やメリット・デメリットをわかりやすく解説
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海外から輸入する
化粧品事業の起業においては、化粧品を海外から輸入して国内で販売する方法も選択肢の1つです。
たとえば韓国コスメや、消費者自身がエシカルで意識の高い消費行動を取る傾向のあるヨーロッパのサスティナブルコスメなどは、日本国内でも需要があります。国内では品薄になっている化粧品を海外から仕入れることができれば、大きな売り上げにつながるでしょう。
ただし、海外コスメを輸入販売する際には、化粧品の成分が国内の基準をクリアしていなければなりません。なかには、国内での販売が禁止されている成分もあります。そのため、自分で化粧品の成分表を細かくチェックして、厚生労働省のホームページに記載されている国内基準と照らし合わせる作業を、行なわなければならないのです。
また商社などのライバルが存在したり、輸入から販売まで時間がかかることが多いといったデメリットも知っておきましょう。
他社製造の商品を販売する
他社で製造された商品を仕入れ、販売のみをおこなう方法もあります。日本の他社で発売されている化粧品を販売するのに、特別な許可は不要です。また、成分表をチェックして国内の基準を満たしているかを確認する手間も省けるでしょう。このように、ほかの方法に比べて手軽に販売ができる点がメリットです。
しかし化粧品の卸売をおこなっている競合は数多く存在していることから、他社との差別化を図るのが困難な傾向にある点がデメリットといえます。また仕入れた化粧品を開封して別の容器に移し替すといったように手を加える際には、許可を得る必要がある点にも注意しましょう。
自社で化粧品を販売する方法

化粧品会社を起業する際、代表的なのはオリジナル化粧品を開発する方法です。またオリジナル化粧品を開発するには、「自社工場で開発する」もしくは「製造をOEMメーカーに委託する」という方法があることは、すでにお伝えしました。
さらにOEMメーカーに製造を委託した場合でも、自社が製造販売元になるケースとOEMメーカーに製造販売元になってもらうケースにわかれます。自社とOEMメーカーのどちらに、商品の品質や有効性および安全性の責任があるかがポイントです。ここでは、それぞれのケースについて解説していきます。
商品の製造から販売を自社で行う
自分の思いどおりの商品を作りたい、化粧品のプロデュースまですべてを完結させたい方は、商品の製造から販売までを一貫して自社で行う方法を選択するとよいでしょう。
しかし、この方法の最大の注意点は、クリアしなければならない問題が多いことです。たとえば、化粧品による健康被害や異物混入があった場合に、会社として対応に追われることになるでしょう。後述しますが、自社で製造から販売までを一貫しておこなう場合は製造業許可や製造販売業許可も必要です。
自社が製造販売元になり、商品の製造を委託する
オリジナル化粧品を販売する際、自社工場で製造する以外に、OEMメーカーに開発を委託する方法もあります。自社工場や製造設備を持たなくても、実績あるOEMメーカーに自社ブランドの開発や製造を依頼することで、オリジナル化粧品を販売できることが最大のメリットです。
日本国内で化粧品を製造する場合、製造販売業の許可を取った製造販売元が品質や有効性、安全性に問題がないことを確認し、市場に出荷できるかどうかを判定しなければいけません。このように製造販売元とは商品の全管理責任を負う者であり、製造販売業者と呼ぶこともあります。
自社が製造販売元になってOEMメーカーに商品の製造を委託する場合、自社で製造販売業の許可を取得する必要があります。
販売元は自社だが、委託会社に製造販売元になってもらい製造を委託する
OEMメーカーに化粧品の製造を委託し、自社で販売を行うケースにおいて、委託会社に製造販売元になってもらう場合は、自社で製造販売業の許可を得る必要はありません。この方法が、もっとも負担が少ないといえるでしょう。
ただし詳細は後述しますが、ラベル貼りや在庫管理など、製造工程の一部でも自社でおこなうときには、化粧品製造許可の取得が必須になることをおさえておきましょう。
化粧品で起業するには許可が必要

化粧品で起業する際、OEMメーカーから商品を仕入れ、自社商品として販売する場合には特別な許可は必要はありません。このケースでは、商品の裏面には製造販売元としてOEMメーカーの社名が記載されます。
それ以外のケースでは、通常、製造業許可や製造販売業許可が必要になることはすでにお伝えしたとおりです。ここからはより詳しく、どのようなケースで許可が必要になるのかを解説します。
- 化粧品製造業の許可が必要なケース
- 化粧品製造販売業の許可が必要ケース
- どちらの許可も必要となるケース
化粧品事業の起業では、許可が必要なケースに該当する可能性があります。しっかりと理解しておきましょう。
化粧品製造業の許可が必要なケース
化粧品の原料を混合して作ったバルクを容器に充填するといった工程以外の、包装やラベル表示、完成した化粧品の保管などにも化粧品製造業の許可が必要です。
化粧品製造業の許可は、下記のように一般区分と包装区分の2種類に分かれ、製造業者として行う業務の内容に応じて取得する許可の区分が異なります。
業務内容 | 取得する必要のある許可の区分 |
---|---|
自社オリジナルの化粧品を製造 | 一般区分 |
他社から依頼を受けて化粧品を製造 | 一般区分 |
OEMメーカーに製造を委託した化粧品を受け取った後、自社で保管 | 包装等区分 |
輸入化粧品の包装・表示・保管 | 包装等区分 |
先ほどお伝えしたとおり、OEMメーカーにオリジナル化粧品の製造を委託する場合は、基本的に許可を取得する必要はありません。
しかし、たとえば経費を抑えるために、ラベル貼りや在庫管理を自分たちで行うケースもあります。これらの業務はいわゆる「製造」には該当しないと考えてしまいがちですが、製造工程のうちの1つを担うことになります。そのため、包装等区分の許可が必要になる点に注意しましょう。
ただし昨今では、包装・表示・保管に関して、化粧品製造業の許可を取得した倉庫と契約するケースが少なくありません。
化粧品製造販売業の許可が必要なケース
「化粧品製造販売業の許可」が必要なケースは、以下のとおりです。
- 自社で製造したオリジナル化粧品を販売
- OEMメーカーに製造を委託した化粧品を販売
- 海外から輸入した化粧品を販売
このように、完成している化粧品を自社の商品として販売する際に取得が求められます。ただし、製造販売業者がすでに市場に出荷している商品を仕入れて販売する場合は、特別な許可は不要です。
どちらの許可も必要となるケース
「化粧品製造業の許可」と「化粧品製造販売業の許可」のどちらも必要になるのは、以下のケースです。
- 自社で製造したオリジナル化粧品を販売
- 海外から輸入した化粧品を、自社で保管して販売
申請書や登記事項証明書などの書類と一緒に申請手数料を支払う必要があるため、管轄の自治体の公式サイトなどで事前に詳細を確認しておくことをおすすめします。
化粧品販売に許可は必要?販売免許やOEM製品について解説している記事はこちら
化粧品販売を行なう際には販売チャネルの確保も重要

オリジナル化粧品を開発して起業する際、どれほど品質の優れた商品を作っても売り上げに反映されなければ、ビジネスの目的を達成したとはいえないでしょう。そのため化粧品販売には、販売チャネルの確保が不可欠です。販売チャネルとは、商品やサービスを販売するための経路や方法を指します。
消費者を対象としたビジネスの場合には、販売チャネルはドラッグストアで販売するか、インターネットで販売するかといった流通経路を意味する場合が多いです。
新たに化粧品事業を起業する際は、この販売チャネルの確保に苦労するケースが少なくありません。豊富なノウハウと技術のもと、ヘアケア商品のOEMを行っている中野製薬は、販売チャネルの紹介も強みの1つとしています。OEMの一貫として売り上げにつながる販売チャネルの紹介を行い、新規事業を力強くサポートします。
化粧品販売で成功するための4つのポイント

オリジナル化粧品の起業で成功するためにおさえておきたいポイントを、以下にまとめます。
- マーケットを理解する
- 商品コンセプトを設定する
- ニーズがある商品を作る
- ターゲットや戦略に合ったチャネルで販売する
それぞれのポイントを解説していきましょう。
マーケットを理解する
化粧品事業に限らず、事業とは顧客に商品やサービスを届け、その価値の対価として収益を得ることです。そのためには、消費者から商品やサービスが選ばれなければなりません。そして選ばれるためには、自社の商品が消費者から選ばれる理由を認識している必要があるでしょう。だからこそ、顧客やマーケットの理解が、あらゆるビジネスの根幹にあると考えられます。
顧客のニーズや考え方を理解する際のポイントは、主に以下のとおりです。
- その商品を選ぶ理由
- 商品を選ぶ判断基準
- 他に存在する選択肢
顧客が商品を選ぶ背景や目的のほか、選ぶ際に優先する事項を把握します。競合商品についても理解していることが大切です。
またマーケットを深く理解するには、顧客インサイトを見極めることも不可欠です。顧客インサイトとは、たとえば「化粧水が欲しい」というように顧客が意識しているニーズではなく、
顧客自身も自覚していない潜在的なニーズを指します。表面的なニーズではなく無意識にある欲求を理解することで、競合他社との差別化が可能になるでしょう。
そのほか、どのような販売チャネルを選択するべきかも分析します。化粧品における販売チャネルは、商品やブランドの特性によって決定する要素が大きいことが特徴です。詳しくは後述しますが、開発商品のターゲット層に商品を届けるには、どの販売チャネルが有効かをよく検討しましょう。
商品コンセプトを設定する
オリジナル化粧品を開発して起業する際にも、商品コンセプトを明確にしておくことが重要です。商品コンセプトとは、商品が購入者にもたらすメリットや性能、利用シーンなどを、明確かつ詳細な言葉で落とし込んだものを指します。
そのため、開発商品が狙うターゲット層も想定しておくことも不可欠です。ターゲット層のイメージも、年齢や抱える悩みなどより具体的に整理するとよいでしょう。さらに、設定したターゲット層が、開発商品を「いつ」「どこで」「どのようにして」使うかを、ストーリーとして設定するとイメージを共有しやすくなります。
また他社の商品ではなく自社が開発する商品を選択するメリットは何かも、掘り下げておく必要があります。
ニーズがある商品を作る
特に化粧品は業界やトレンドの動向が変化するサイクルが早いため、定期的に消費者のニーズを調査していくことが求められます。需要の高い商品や流行りの成分はどのようなものかを分析し、それらが求められている理由を調べることが大切です。そのうえで、自社の開発商品の特徴やコンセプトと、消費者のニーズにずれが生じていないかをチェックしましょう。
顧客やマーケット理解は、一度行ったらそれで終わりというわけではありません。消費者やマーケットは常に変化を続けているため、定期的かつ継続的な調査が必要です。
ターゲットや戦略に合ったチャネルで販売する
化粧品事業の起業で成功するためには、ターゲットや戦略に合ったチャネルで販売することが基本といえるでしょう。なぜなら、年代や性別などによって、化粧品に対する意識はもちろん、購入する場所も異なってくるためです。
前述のとおり化粧品の販売チャネルは、商品やブランドの特性との結びつきが強い点が特徴といえます。たとえばブランドコスメのような高価格帯の化粧品を購入する際には、店頭で色や触感を試し、店頭スタッフのアドバイスを聞きながら選ぶのが安心というニーズが根強くあります。また、低価格コスメのメインターゲットは若年層であり、ドラッグストアや専門店で販売するのが有効です。
また化粧品は、ドラッグストアや量販店ではディスカウント価格、コンビニエンスストアやバラエティショップでは定価での販売が一般的です。そのためまずは定価での販売を重視してバラエティショップで販売する、といった戦略も選択肢の1つといえます。
オリジナルの化粧品で起業するならOEMがおすすめ

オリジナルの化粧品で起業するなら以下の点から、OEMがおすすめです。
- ブランドの知名度向上に役立つ
- 初期コストを削減できる
- 販売に専念できる
オリジナル化粧品を企画から生産まで一貫して行う場合、初期投資が必要なほか、製造販売業許可の取得などにも注力しなければなりません。しかしOEMを活用すれば、それらを行う必要なく売り上げが得られ、ブランドの知名度向上にもつながるでしょう。
ここでは、新規に開発する化粧品で起業する際にOEMを活用するメリットを解説していきます。
OEMとは?OEM商品を製造する目的やメリット・デメリットをわかりやすく解説
OEMとODMの違いとは?それぞれの意味やメリット・デメリットも解説
ブランドの知名度向上に役立つ
オリジナル化粧品の開発をして起業する場合、はじめは知名度がほとんどない会社であることも珍しくないでしょう。
OEMメーカーに化粧品の製造を委託することで、これからブランドを立ち上げる場合でも、自社のブランド名を広めることが可能です。OEMを活用して研究開発や生産を委託すれば、自社では販促にリソースを割けるようになります。その結果、ブランドの知名度の向上を実現できるでしょう。
初期コストを削減できる
初期投資を抑えられるのも、OEMを活用するメリットの1つです。一からオリジナル化粧品を開発し生産することを計画したとしても、初期投資がネックになって実現に踏み切れないといったケースも想定されます。
自社に工場を備える場合、初期投資だけで数千万円規模の予算が必要になる可能性もあります。工場や製造設備を保有することがいかに大がかりなことか、容易に想像ができるでしょう。初期にかかるコストにとどまらず、商品ラインナップを広げるたびに新しい製造設備を導入する必要が生じてしまうことも少なくありません。
またオリジナル化粧品で起業する際には、工場や製造設備だけでなく人的リソースも確保しなければなりません。オリジナル化粧品を企画できる人材、あるいは製造ノウハウを持った人材に育成するための、教育コストもかかってくるでしょう。
OEMはすでに工場と労働力を保有する企業に生産を委託するしくみであるため、特に初期投資に必要なコストを抑えることが可能です。具体的には、研究開発や製造設備、各法規の確認などに必要なコストが不要になる可能性が高いでしょう。
さらに販路としてEコマースや通信販売を選択すれば、個人事業主など比較的資本が少ない場合でも、化粧品事業に新規参入しやすいといえます。
販売に専念できる
オリジナル化粧品で起業する際、製造だけでなく薬機法や景品表示法などの法規関連の調査にも労力を割かなければなりません。しかしOEMを利用すれば、自社ではマーケティングや販売戦略の策定など、本来必要な販売分野に集中的に経営資源を投下することが可能になります。
オリジナル化粧品の市場価値を確かなものにするには、定期的に消費者のニーズを調査することが求められます。特にトレンドの移り変わるサイクルが早い化粧品業界においては、常に最新の動向を把握しておく必要があります。
商品の生産は信頼できる技術力のたしかなOEMメーカーに任せ、市場分析や調査に注力するほか顧客対応にも力を入れることが、会社の成長にもつながるでしょう。
化粧品・コスメ広告は薬機法を要チェック!違反表現も紹介している記事はこちら
OEMでオリジナル化粧品を作る流れ

OEMでオリジナル化粧品を作る際には、以下のような流れが一般的です。
- 初回打ち合わせ
- サンプル製造・商品改良
- 資材発注の検討
- 梱包資材の選定・テスト
- 処方・容器決定と最終見積もり
- アフターフォロー
OEMメーカーに委託した経験がない場合、どのようなステップで生産が進むのかイメージしにくいかもしれません。各ステップのポイントをご説明します。
初回打ち合わせ
OEMメーカーへの問い合わせからスタートします。ポイントは最初の問い合わせの段階で、自社がイメージする商品の生産の委託が可能かどうか、ある程度確認しておくことです。
OEMメーカーの多くはウェブサイト上で生産可能な商品を紹介しています。また、そのOEMメーカーが製造している商品を知っている場合は問題ありません。しかしそれ以外のケースでは、最初の問い合わせのタイミングで製造の可否を確認しておくと、時間のロスを防げるでしょう。
問い合わせの後、初回打ち合わせが行なわれます。希望する商品のコンセプトやブランドのイメージ、こだわりたい部分、興味のある成分などの情報を共有し、イメージをすり合わせます。ベンチマーク品やパッケージデザインのイメージなどを伝えるのも忘れないようにしましょう。
この段階で、OEMメーカーとして対応できない内容に関しては、別の提案をされることもあるでしょう。細かいすり合わせを行い、想定内の仕上がりが見込める場合は商談成立となり、概算価格やロット数、スケジュールなどを決定します。
商品開発において白紙に近い状態であっても、OEMメーカーに相談することで企画のヒントとして使える情報を教えてもらえる可能性もあります。まずは気軽に問い合わせをしてみましょう。
化粧品OEMの選び方を完全解説!納品までの基本的な流れや具体的な探し方もご紹介
サンプル製造・商品改良
価格面の折り合いがついた段階ですぐに大量製造がスタートすることはかなりのレアケースであり、基本的にはサンプル製造のステップに進みます。打ち合わせで共有した商品の性能などをもとに、OEMメーカーの研究室で処方の検討を行うのが一般的です。
処方サンプルが出来上がり次第、想定していたイメージと齟齬がないかどうかを確認します。化粧品の場合は要件を満たしているかという点はもちろん、色や匂い、テクスチャーや使用感などを、実際に手に取って確認することがほとんどです。
多くの場合、サンプルの改良を重ねていきます。依頼者側は製造に関する知識を持ち合わせていないことが珍しくないため、わかったつもりにならず、OEMメーカーとコミュニケーションを取ることが成功の秘訣といえるでしょう。思いもよらなかったことでも、実は対応が可能であったなど、嬉しい誤算があるかもしれません。
改良されたサンプルを確認し、問題がなければ提示された製造ロットに応じてオーダーをします。
資材発注の検討
化粧品OEMにおける資材には、主に容器や化粧箱、ラベルなどが挙げられます。特に容器は化粧品の顔ともいえる重要な要素であり、商品の印象を大きく左右するものです。化粧品自体の品質は高いのに、見た目の印象がいまいちで売り上げにつながらなかったり、逆にパッケージの印象が良いために支持されたりといったケースは珍しくありません。
既に希望の容器や化粧箱のベンチマーク品があれば、OEMメーカーに類似のものをサンプル提出します。OEMメーカーによりますが、容器や化粧箱の提案を受けることも可能です。
容器や化粧箱、ラベルのデザインを作成する際は、OEMメーカーより印刷範囲のデータを提供してもらいましょう。自社で容器や化粧箱、ラベルなどを調達する場合は、資材仕入れ先からデータを入手し、デザインを作成します。
梱包資材の選定・テスト
化粧箱や内箱、シュリンク、封印シールなどの各種仕様を決定します。化粧箱や内箱、シュリンクなど概要は以下のとおりです。
特長 | 役割など | |
---|---|---|
[化粧箱] | 化粧品の保護や包装に使われる紙製の箱 | ・商品のイメージや見栄えをよくする ・ブランドイメージを伝え、ほかの商品との差別化を図る ・箱を開けなくても商品の魅力が伝わり、購買意欲を喚起する |
[内箱] | 各商品を最小発注単位でまとめる簡易的な箱 | 輸送や保管時に商品の汚れたり傷んだりすることを防ぐ |
[外箱] | 輸送時に内箱をまとめる箱 | ・輸送の際に商品を保護する ・内箱を採用しない場合は、外箱に井桁を組み、擦れの防止に使うこともある |
[シュリンク] | 商品を覆う透明フィルム | ・商品を密封し、いたずらや汚れ、指紋などの付着を防止する ・高級感が出る |
[封印シール] | 商品の蓋などをとめるシール | 未開封の偽装を防止する(一度剥がすと痕跡が残り綺麗に貼り直しができない) |
また、内容物との相性に問題がないかをチェックする「耐内容物テスト」や、実際に商品を宅配便などで配送して耐性を確認する「輸送テスト」を実施します。
処方・容器決定と最終見積もり
処方や容器が決定したら、最終処方の内容物や資材、配送を含めた見積もりを確認します。OEMメーカーは最終価格の合意後に、薬機法に基づく薬事申請や、景品表示法に関する申請をすることが一般的です。
薬事申請とは新たに化粧品や医薬品などを製造する際に、厚生労働省から製造や販売に必要な承認を得るための、申請業務を指します。また景品表示法は、商品やサービスの品質や内容、価格などを偽った不当表示や過剰な景品類の提供を防ぐための法令のことです。
見積もりの合意と発注書の提出後、OEMメーカーは各資材や原料の手配及び生産ラインの確保を行い、生産がスタートします。
アフターフォロー
オリジナルの化粧品が完成しても、その商品価値を理解したうえで販売につなげないと、本来の起業の目的を果たしたことになはりません。想いの詰まった商品が多くのエンドユーザーに届くように、完成したら終わりというスタンスではなく、積極的なアフターフォローを続けてくれるOEMメーカーを選定しましょう。
たとえば商品を解説するマニュアルを作成し、成分の働き、効果的な使用方法をはじめとする正しい商品知識を社員や販売員と共有することで、販売促進につながります。
オリジナル化粧品の起業にはOEMを活用しよう

化粧品会社を起業する場合はオリジナル化粧品を作る、海外から輸入する、他社製造の商品を販売するといった方法があります。このうちもっともオーソドックスなイメージであるのは、オリジナル化粧品を作って販売する方法といえるでしょう。
オリジナル化粧品を作って販売する方法においても、さらに自社工場で製造するパターンと、OEMメーカーに製造を委託するパターンがあります。オリジナルの化粧品を作り、販路の確保まで一貫して自社で行う方法は、自分で化粧品のプロデュースをすべて完結させたいという方に向いています。
しかしこの方法は、自分のイメージをそのまま商品として具現化できるというメリットと引き換えに、やらなければいけないことが非常に多いという点がデメリットです。化粧品の製造だけでなく、薬機法や景品表示法などの法規関連の調査にも労力を割かなければなりません。またいうまでもないことですが、自社で工場や製造設備を保有するには莫大な初期投資が必要です。
OEMを活用すれば、技術力の確かなOEMメーカーに製造を任せ、マーケティングや販売戦略の策定など、本来必要な販売分野にリソースを集中投下することが可能です。製造設備の初期投資はもちろん人材の確保も不要であるため、畑違いへのビジネスへの参入障壁を下げてくれます。
さらにOEMメーカーによっては、新規参入する会社が苦労することの多い、販売チャネルの紹介を行ってくれることもあります。
昨今、化粧品業界の中でも注目を集めているのがヘアケア商品です。従来よりも自宅におけるヘアケアを重視する方が増加傾向にあるためです。そのため化粧品業界への新規参入を検討する場合は、ヘアケア商品の開発も視野に入れてみましょう。
中野製薬は創業以来、美容室とともに歩んできた経験に、トレンドや最新の技術を加えて開発を行うため、最先端の商品開発が可能です。オリジナルのヘアケア商品での起業には、中野製薬のOEM事業の活用がおすすめです。