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化粧品OEMとは?メリットや成功のポイント・メーカーの選び方を解説

化粧品OEMとは?メリットや成功のポイント・メーカーの選び方を解説

23.08.16

化粧品OEMとは、化粧品の製造過程をOEMメーカーに委託することです。工場を持っていない企業も、自社ブランドの化粧品をつくることができます。今回は、化粧品OEMの特長や自社に合ったOEMメーカーの選び方などを解説します。

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目次
化粧品OEMとは
 化粧品OEMと化粧品ODMの違い
 化粧品OEMとPB化粧品の違い
化粧品OEM市場は拡大している
化粧品分野への参入にはOEMの活用が効果的
化粧品OEMを活用するメリット
 専門知識や設備投資不要で自社ブランドの化粧品をつくることができる
 製造販売業のライセンスを取得しなくてよい
 バルク・容器・化粧箱などの手配も依頼できる
化粧品OEMの注意点
 委託費用を考慮する
 製造に関するノウハウを蓄積するのが難しい
化粧品OEMで成功するためのポイント
 消費者に選ばれる化粧品を企画・開発する
 販売戦略やターゲットに合った販売方法・チャネルを選ぶ
 商品コンセプトを明確化する
自社に合った化粧品OEMメーカーの選び方
 作りたい商品とOEMメーカーの得意分野が一致しているか 
 自社が求める技術や実績をOEMメーカーが有しているか
 品質管理や協力体制、トラブル対応は十分か
 海外輸出もサポートしているか
 環境に配慮した製造を行っているか
化粧品OEMメーカーに依頼する際の流れ
化粧品OEMの活用で高品質な化粧品を生産しよう

化粧品OEMとは

化粧品OEMとは、化粧品の製造過程を、専門の企業に委託することです。
そもそもOEMは、「Original Equipment Manufacturing 」の略で、メーカーが他社ブランドの商品を製造することを指します。

化粧品を製造・販売するためには、「化粧品製造業」と「化粧品製造販売業」の許可を得ることが必要です。化粧品メーカーは、化粧品の製造・販売に必要な許可を得ています。OEMメーカーに依頼することで、簡単に自社ブランドの化粧品をつくることができるのが特長です。

また、工場を持たずに自社商品をつくることができ、ファブレス経営を実現できるという魅力もあります。

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化粧品OEMと化粧品ODMの違い

OEMと混同しやすいのが、ODMです。ODMは、「Original Design Manufacturing」の略であり、商品開発から製造までを一貫して依頼し、委託側のブランドの商品をつくることを指します。化粧品ODMでは、化粧品の企画開発部分から、ODMメーカーと協業して進めます。

OEMメーカーが担当するのは、基本的には製造工程のみです。そのため、OEMに比べると、ODMのほうが委託できる範囲が広いという違いがあります。ただし、最近では設計部分から関わるOEMメーカーも存在しており、両者の違いは曖昧になりつつあるのが現状です。

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化粧品OEMとPB化粧品の違い

OEMとよく似た概念がPBでしょう。PB(プライベートブランド)は、従来は商品の企画や生産を行わない小売店や卸売業者などが企画販売する、独自ブランドの商品のことです。

OEMは、PBを作るために用いられる手法の1つともいえ、異なる概念というわけではありません。

ただし、委託側の業種に若干の違いがあります。OEMの場合、化粧品や家具家電、アパレルなど、委託側の業種が幅広いという特徴があります。一方、PBではコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど、小売店や卸売業者が委託側となることが多いです。

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化粧品OEM市場は拡大している

OEMを活用して化粧品をつくる企業は増えています。自社で工場を持つ必要がないのは、企業にとって大きなメリットです。

矢野経済研究所が2023年に実施した調査によると、2022年度の化粧品受託製造市場は3,316億円でした。新型コロナウイルスの影響緩和やインバウンド需要の復活などによって、前年度比107.2%という結果でした。

そして、2023年度は3,445億円に拡大すると予測されています。

株式会社矢野経済研究所「化粧品受託製造市場に関する調査を実施(2023年)」より当社作成

今後、マスクの着用が任意となったことによる化粧品の需要や、インバウンド需要がますます増加すると期待されています。化粧品OEM市場もさらに拡大することが見込まれるでしょう。

参考:株式会社矢野経済研究所「化粧品受託製造市場に関する調査を実施(2023年)」

特に注目されているのが、ヘアケア市場です。2022年、シャンプー・トリートメントカテゴリーは、前年比6.5%増でした。店頭価格が比較的高いブランドが躍進しており、新規参入も相次いでいるのが特徴です。大手メーカーよりも、新興メーカーのほうが勢いをつけている傾向にあり、新規参入の余地は大いにあると言えます。

また、ヘアオイルの使用頻度も高まっており、アウトバストリートメント市場も拡大しています。

化粧品分野への参入にはOEMの活用が効果的

新規事業や起業などで、化粧品分野への参入を検討している方も多いでしょう。化粧品分野への参入は、以下の2点ゆえに成功する可能性が十分に期待できます。

しかし、参入の障壁になるのが、自社で設備の所有、ライセンスの取得が必要なことです。

化粧品OEMを活用することで、これらのハードルをクリアでき、比較的容易に化粧品分野に参入できます。

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化粧品OEMを活用するメリット

化粧品OEMを活用するメリットは、以下のとおりです。

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

専門知識や設備投資不要で自社ブランドの化粧品をつくることができる

化粧品OEMメーカーに製造を委託することで、製造に関する専門知識や、製造に必要な設備、技術を有していなくても、自社ブランドの化粧品をつくることができます。

はじめて化粧品領域に参入する企業にとっては、大きなメリットです。

研究開発にかかるコストや時間も削減できます。

製造販売業のライセンスを取得しなくてよい

化粧品の製造をと販売を行う場合、「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売業許可」の2つの許可を得なければなりません。化粧品メーカーは、これらの許可を取得しています。そのため、化粧品OEMを活用することで、自社でライセンスを取得する必要がなくなるのもメリットです。

さらに、化粧品製造業では責任技術者の設置、化粧品製造販売業では総括製造販売責任者の設置が必要であり、責任者を担当できる人材には一定の要件が課せられています。自社で製造・販売しようとすると、責任者の設置もハードルとなるでしょう。

化粧品OEMメーカーに依頼することで、こうした課題もクリアできます。

化粧品販売に許可は必要?販売免許やOEM製品について解説している記事はこちら

バルク・容器・化粧箱などの手配も依頼できる

化粧品製造では、化粧品の中身だけでなく、容器、化粧箱などの資材を準備する必要があります。化粧品を入れられればどのような容器や化粧箱でもよい、というわけではありません。化粧品に適しているかをテストしたうえで、手配する必要があります。

化粧品OEMメーカーによっては、これらの手配を行うところもあります。

化粧品OEMの注意点

一方、化粧品OEMを活用する際は、以下の点を認識しておきましょう。

ここでは、化粧品OEMの注意点について解説します。

委託費用を考慮する必要がある

化粧品OEMメーカーに委託する際は、委託費用を考慮して、化粧品づくりや販売にかける予算を決めましょう。

また、化粧品市場への新規参入にあたって、OEMを活用するか自社で製造設備を用意するかで迷った際は、OEMにかかるコストと自社で製造する場合のコストを比較検討する必要があります。

しかし、化粧品OEMメーカーに依頼するほうが、コストを抑えられる場合が多いのが現状です。自社で製造する場合は、以下のようにさまざまなコストがかかります。

また、化粧品OEMメーカーによっては、消費者のニーズに合った高品質な化粧品の開発をサポートしてくれる場合もあります。トータルで見ると、OEMメーカーに依頼したほうが、製造コストを抑えながら、納得のいく化粧品を生産できる可能性が高いのが現状です。

製造に関するノウハウを蓄積するのが難しい

製造過程をOEMメーカーに委託するため、製造に関するノウハウを蓄積するのが難しい点にも注意が必要です。自社でもノウハウを得る努力をしなければ、その分野や商品に関する技術力が向上せず、製造についての知見を持った人材も育ちません。

OEMメーカーに委託して効率化しつつ、製造に関する外部の研修に参加したり、社員同士でノウハウを共有しあえるツールを活用したりと、ノウハウを蓄積する工夫が求められます。

化粧品OEMで成功するためのポイント

化粧品OEMで成功するためには、以下の3つのポイントを押さえましょう。

ここでは、それぞれのポイントについて解説します。

消費者に選ばれる化粧品を企画・開発する

化粧品OEMで成功するためには、消費者から選ばれるような魅力的な化粧品を開発し、販売することが欠かせません。

消費者のニーズや市場規模、トレンド、競合動向などを徹底的にリサーチしましょう。

化粧品OEMメーカーによっては、単に製造を担当するだけでなく、企画開発の相談に乗ってくれたり、役立つ情報を共有してくれたりすることもあります。化粧品OEMメーカーの力も借りながら、企画開発に注力しましょう。

販売戦略やターゲットに合った販売方法・チャネルを選ぶ

魅力的な化粧品を開発しても、販売方法やチャネルの選択を誤ると、売上にはつながりません。

特に化粧品は、販売方法やチャネルと、化粧品のブランドが強く関連しているのが特徴です。また、ターゲットによって、適切な販売方法やチャネルは異なります。

「若年層向けのリーズナブルな化粧品を販売したい場合はドラッグストア」「高級志向の化粧品を販売したい場合はデパート」「海外の消費者に使ってもらいたい化粧品ならEC」のように、販売戦略やターゲット、コンセプトなどに合わせて販売方法やチャネルを選ぶことが大切です。

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商品コンセプトを明確化する

化粧品開発では、商品コンセプトの明確化が求められます。

商品コンセプトとは、商品が利用者にどのようなメリットをもたらすか、どのようなシーンで活用されるか、などを明確かつ具体的な言葉で落とし込んだものです。商品へのこだわりを表したものと言えます。

商品コンセプトは、今後の販売戦略策定や価格設定、パッケージなどにも大きく影響する重要な部分です。

商品コンセプトを策定する際は、自社化粧品が狙うターゲットやペルソナを具体化し、他社ではなく自社の化粧品を利用するメリットを掘り下げて考えましょう。

自社に合った化粧品OEMメーカーの選び方

化粧品OEMを有効活用するためには、自社に合ったOEMメーカーを選ぶことが大切です。依頼前に複数のOEMメーカーに相談し、比較検討しましょう。

以下では、自社に合った化粧品OEMメーカーを選ぶための、5つのポイントを解説します。

作りたい商品とOEMメーカーの得意分野が一致しているか

自社が作りたい商品と、OEMメーカーの得意分野が一致しているか、は重要なポイントです。

化粧品OEMメーカーには、それぞれ得意分野があります。一口に化粧品と言っても、スキンケア用品やメイクアップ、ヘアケアなど、その種類はさまざまです。

OEMメーカーの実績も参考にしながら、自社が作りたい商品の製造に強みを持つOEMメーカーに依頼しましょう。

自社が求める技術や実績をOEMメーカーが有しているか

OEMメーカーが持つ技術や実績も、メーカー選びのポイントの1つです。品質の高い化粧品を製造するためには、自社が求める技術や実績を有したOEMメーカーを選定することが欠かせません。

OEMメーカーを選ぶ際は、製造しようとしている商品のスペックを事前に具体化し、相談できるようにすることが大切です。事前打ち合わせの内容がより具体的になり、納得できるOEMメーカーに依頼できるでしょう。

品質管理や協力体制、トラブル対応は十分か

高品質で安定した製造を実現するためには、品質管理体制やトラブル発生時の対応が充実しているOEMメーカーを選びましょう。特に、万が一の事態が発生した際にも迅速に対応してくれるOEMメーカーなら、安心して委託できます。

また、自社と密にコミュニケーションをとり、十分な協力体制を築けるようなOEMメーカーを選ぶことも大切です。協力体制が十分か否かで、開発・製造をスムーズに行えるかが異なります。

海外輸出もサポートしているか

海外展開を検討している場合は、海外輸出をサポートしてくれるOEMメーカーに依頼することが効果的です。

国や地域ごとに、化粧品に使用できる成分や必要な手続きなどは大きく異なります。自社だけで海外輸出に対応するのは難しいです。

海外輸出にも対応できる商品開発や、販路の獲得をサポートしてくれるOEMメーカーに依頼しましょう。

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環境に配慮した製造を行っているか

環境に配慮した製造を行っているOEMメーカーであるか、も重視しましょう。

近年、企業のSDGsに関する取り組みが重視されています。環境に配慮した取り組みを行っている企業に積極的に投資する「ESG投資」や、環境や社会問題に配慮した商品を好んで選ぶ「エシカル消費」の流れも広がっています。

化粧品生産でも、プラスチック使用量を削減した容器の使用や詰め替え商品の推奨、環境にやさしい成分を利用した商品の生産など、環境への配慮が必要です。

環境に配慮した製造を行えるOEMメーカーに依頼することで、自社が環境問題の解決に貢献できることはもちろん、ブランディングにもつながります。

化粧品OEMの選び方を完全解説!納品までの基本的な流れや具体的な探​​し方もご紹介

化粧品OEMメーカーに依頼する際の流れ

化粧品OEMを活用して自社ブランドの化粧品を製造する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 化粧品OEMメーカーとの打ち合わせ
  2. 試作・容器選定・仕様選定
  3. 仕様決定
  4. 見積もり(概算)
  5. 処方・容器決定
  6. 最終見積もり
  7. 試験、各種申請
  8. 製造
  9. 納品

まずは事前の打ち合わせで、自社が理想とする化粧品を製造できるかを確認します。ニーズを満たすOEMメーカーが見つかったら、OEMメーカーと相談しながら容器や具体的な仕様といった細かい部分を詰めていきます。

その後、見積もりや試験などを経て問題がなければ、製造、納品という流れです。

化粧品OEMの活用で高品質な化粧品を生産しよう

化粧品OEMを活用することで、OEMメーカーの製造能力や技術を活用しながら、高品質な化粧品をつくることができます。自社で工場を持たずに自社ブランドの化粧品をつくることができるため、化粧品領域に新規参入したい企業におすすめです。

作りたい化粧品の製造に強みがあり、自社のニーズに合った、信頼できる化粧品OEMメーカーを選びましょう。

中野製薬は、創業より60年間、多数のプロフェッショナル向け頭髪化粧品を開発・販売してきました。商品開発の豊富なノウハウと技術を活かし、徹底した品質・生産管理で、お客様が求める化粧品生産をトータルでサポートします。ヘアケア商品の生産を検討している方は、当社のODM/OEM事業を是非ご活用ください。