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2020.10.30
  • #プレスリリース

加齢などの後天的な要因から生まれる 毛髪のうねり(クセ)に関する共同研究成果を発表  

 中野製薬株式会社(本社:京都市、代表取締役社長:中野孝哉)は、同一人物の直毛とうねり毛の比較から、「うねり毛(クセ毛)」では抜去毛包組織内のⅣ型コラーゲン量が減少しているということを明らかにしました。
また、この結果を10月21日(水)~30日(金)の期間で開催中の「第31回 国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会 2020 横浜」において、関西大学と弊社との共同研究成果として発表しました。

 人の見た目の印象に大きく影響する毛髪の外観、とくに「毛髪のうねり(クセ)」は、先天的な要因だけではなく、加齢などの後天的な要因によっても生じると考えられています。しかし、そのメカニズムについてはよく判っていないのが現状です。そこで、弊社では関西大学と連携し、この発生要因を調べることを目的に、毛包を形成する組織のひとつである外毛根鞘に着目し、コラーゲンと小胞体ストレスの関係について研究を行いました。その結果、外毛根鞘細胞において、Ⅳ型コラーゲンの発現に小胞体ストレスが関係していることを明らかにしました。
 また、同一人物で比較したところ、うねった毛髪では抜去毛包組織内のⅣ型コラーゲン量が直毛よりも少なくなっていることをつきとめ、その研究成果を先の学術会議で発表しました。

 まだ、加齢との関連は不明確ですが、今後も毛髪のうねりの現象について更なる研究を進め、それらを応用することで、毛髪のうねりに悩む人々の解決策として期待できるヘアケア商品の開発に繋げていきます。

 詳細については、以下をご参照ください。


※IFSCCとは
 International Federation of Societies of Cosmetic Chemists(国際化粧品技術者会連盟)の略であり、全世界で16,000名以上もの化粧品技術者が所属する世界的な学会です。
この学会の最大のイベントとして、毎年、各国の化粧品技術者が最新の研究成果を発表・討論する国際学術大会があります。
この大会は、毎回300件以上の演題が発表されており、世界の化粧品業界において非常に大きな影響力を持つイベントです。
 今年は日本が主催国となり、オンライン上のバーチャル会議として開催されました。

■発表タイトル
ヒト外毛根鞘細胞におけるコラーゲン産生と小胞体ストレスとの関連について

著者:堀部一平¹、泉沙良²、石原良二¹、中野孝哉¹、住吉孝明²、長岡康夫²
1) 中野製薬株式会社、2) 関西大学 化学生命工学部


■研究の背景
 毛髪の外観は、形、色、光学特性など多くの要素によって変化し、人の見た目の第一印象に大きく影響します。その中のひとつである「毛髪のうねり(クセ)」は、カール毛などのような先天的なうねりの他に、加齢などの後天的な要因によっても生じると考えられていますが、そのメカニズムについてはよく判っていません。
 そこで、本研究では、毛包を形成する組織の一つである外毛根鞘に着目し、コラーゲン産生と小胞体ストレスとの関係について検討を行いました。


■研究の成果
 ヒト頭部から抜去した毛包組織付着毛から外毛根鞘細胞を採取し、ツニカマイシンと呼ばれる薬剤により小胞体ストレスを強制的に起こさせたところ、外毛根鞘細胞の細胞内のⅣ型コラーゲン量が有意に増加することが判りました。その一方で細胞外のⅣ型コラーゲン量は減少しました。(プレスリリース内図1)

 次に、同一人物から実際に直毛とうねった毛髪を抜去し、毛根部組織におけるⅣ型コラーゲンの遺伝子発現量を比較したところ、うねり毛では直毛の約10分の1量になっていることが判りました(プレスリリース内図2)。

 さらに、同一人物から得られた毛根部組織の横断面を比較したところ、うねった毛髪では、毛包の組織を形成する内毛根鞘と外毛根鞘の形態がいびつで、組織の厚みが不均一になっていることが判りました。(プレスリリース内図3)。

 今回の結果により、外毛根鞘細胞において、Ⅳ型コラーゲンの発現に小胞体ストレスが関係しており、実際のうねった毛髪では抜去毛包組織内のコラーゲン量が直毛よりも少ないことが判りました。また、加齢との関連は不明確ですが、先天的な毛髪のうねりだけではなく、同一人物における直毛とうねり毛との違いにおいても、毛包組織のいびつな構造が、毛髪がうねってしまう一因である可能性が示されました。

 今回得られた知見をもとに、弊社ではヘアケア商品の開発に応用していくとともに、加齢などにともなった毛髪のうねりの現象についてさらに検討を進めていきます。