BEAUTY IS ART 共創アート
ワークショップ3回目レポート
ビューティの枠を超えて、ファッションという違う視点を取り入れながら、ファッションデザイナーの山縣さんや参加サロン18名と共にビューティの新たな可能性やクリエイティブ力を高めていくことが出来る長期プロジェクト。
前回は、サロンごとに作品の方向性をプレゼンし、各サロンの課題として、方向性を決める素材集めが全然足りていないと山縣さんよりアドバイスがあった。 その為、約1ヵ月間で様々な素材を集めながら、今回2度目のプレゼンを実施。
8月24日(火) ワークショップ3回目
テーマ:「Design」ファッションデザインプロセスを学ぶ
1.Second presentation
―サロンごとの作品イメージを発表―
緊急事態宣言下での開催となる為、東京支店でのスタジオとZoomを繋ぎながら開催。 サロンごとにブラッシュアップした内容を発表し、それに対しての総評を山縣氏並びに新たに加入したアート・プロデューサーの中西大輔氏、中西多香氏からもアドバイスをいただく。
①game
テーマ:セニング
イメージ:民族衣装(各個人の関連した素材)や踊り、相撲、自然
→和の要素とモダンの要素を組み込む。衣装は古着をメインに自分たちで作成(小島さんが作成予定)
アドバイス:イメージを固めないと写真家に伝わりづらい為、もう少し固める必要がある。また和の要素とモダンを組み合わせるのが結構難しい為、風景で和を取り入れるとかはどうか。
②Of HAIR
テーマ:オリエンタルフェイス、多様性
モデル:凛とした女性
イメージ:透け感のあるスタイル(ショート)、浮遊感・無重力感(ロング)
ポージングは二人がもたれかかっている感じで髪・メイク・服は共通でイメージ。お店にいつも生花を飾っている為、日本の花を一部いれるか検討
アドバイス:モデルの世界観はわかるが、どういう場所で撮影するのかまで検討が必要。またイメージがきれいにまとまっている為、好きとか自分達のエッセンスをもっと入れ込んでもよいのではないか。自然からクリエイションを学ぶとかもっと落とし込んではどうか。サロンのバイブルがあるのは非常に良いと思う。
③MINX
テーマ:ジェンダーフリー(中性的な存在)
イメージ:モデルは1名で写真はモノトーンで組み写真をイメージ。
男女とも着用出来るスカートやタートルネック。ヘアはウルフスタイルで男女ともにできるもの。
フリーとは自由、平等、元々区別がないなどをイメージ。箱に入れて閉鎖感を表現し、その中で自由を表現している。
アドバイス:ジェンダーレスからジェンダーフリーに移行したのであればジェンダーもいらないのではないか。言葉の定義にあまりとらわれない方がいい。プリーツスカートのひだ、縦線、伸び縮みなども上手く組み合わせてはどうか。
④LIM
テーマ:メメントモリ
モデル:東京のアイコンであるAyaGloomyを検討。
イメージ:チームメンバーのエッセンスを取り入れて作っていきたい。
・村瀬さん→ブラックヘア、現代のコロナ、もどかしい気持ち、ヘアラップ ブレイズ、ニット、毛糸、木梨憲武、バスキア、日が昇る感じ
・朝居さん→海外旅行がすき。オリエンタル、暖色系 ハッピーな色味、洗練された中での遊び心
キレイな中でも個性がある感じ。
・木村さん→エッジ、バグ、顔にアートや絵とコラージュ、音楽のコラージュ
まとめ→ヘアとファッションを組み合わせ、ブラック要素を入れながら、東京、レイヤード、重厚感を出す。
アドバイス:テーマの選定が唐突である為、3人のすり合わせたコンセプトワークをもう少し詰めていく。メメントモリ(死ぬことを忘れないで今をいきろ)も良いか、タイトルメイキングをもっとこだわれるのではないか。
⑤Rougy
イメージ:3人の共通点である自然に囲まれている風景を入れる。曲線でシンプルなデザイン。キレイめ、シック、クラシカル、ロベルシ。ヨーロピアンと自然。
アドバイス:プロになって身についた表現者の感性と自然との穴埋めを考えてみてはどうか。
ヨーロッパコンプレックスではなく、日本の空気感などを表現し、クラシックの中でもちょっとしたスパイスを入れてはどうか。
⑥ZELE
テーマ:designs 野望、野心
イメージ:上品なものではなく逆で表現したい。メンバーの共通項である田舎感を入れながら、
ネオン街をバックに撮影。ニッカポッカ。ヘアデザインは野菜とかをミックスしたような感じで。
ヤンキーテイスト。
アドバイス:全てにおいて美の真逆を表現しつつ、最終的には洗練に戻っていくことが重要
楽しくユーモアがあっていいので、それらを様々な形で組み合わせて、色々実験してほしい。
総評: 着地点を想定しつつも、変化を想定しながら発想を広げる。コンセプトワークが非常に重要であり、言葉選びがとても大切。頭にあるものをもっとアウトプットして表現していってほしい。作品を作る為の手数が少ないので、もっと実験しながら行っていってほしい。
2.「アイディアはイメージの逆転や組み合わせから生まれる」
―新しい発見はイメージの組み合わせから―
続いて、山縣氏よりサロンへ向けたアドバイスとして、作品を作る上で必要なアイディアについてお話される。 アイディアとは、元々プラトンという哲学者が提唱したイデアから由来しており、地球に存在する生物全てに、最終的な究極の形があり、デザイナーはそれを追い求めており、そこからアイディアという言葉が生まれている。 またアイディアとは、あるイメージとイメージを組み合わせたり、逆転や反転させたりなどイメージを転換させる作業を頭の中で行い生まれてくるのだという。 例えば女性が男性的要素のあるスーツを着て作品を表現したり、ロングヘアのイメージが強かった時代にシャネルはあえてショートヘアでパンツスタイルという自己を表現したりなど本来のイメージと反転させることによって新たなものが生まれてきている。それは色でもいえるとのこと。 またイメージとイメージの組み合わせやイメージの増幅、重量の転換や動きの交換などアイディアは様々なところから生まれてくる。その為、自分の作品を更に分析していき、様々な組み合わせを実験して発見に繋げていって欲しいということで今回のワークショップが終了。 今後フォトグラファー3名とサロンのマッチングをして、各サロンで最終的な作品作りに向けての準備を行い、9月14日(火)の4回目ワークショップにて最終プレゼンを行ってもらう予定。
今回2度目のプレゼンであった為、皆さん様々な素材を準備され、サロンごとの色や特色がすごく表れていたと感じる。その中で、自分の思考を整理し、アウトプットして伝えるということにあまり慣れてない為、テーマやイメージの共有に苦戦されていたことが伺えた。 今後、更にイメージを膨らませて実験を行いながら、最終的には素晴らしい作品に出来上がることが非常に待ち遠しい。