BEAUTY IS ART 共創アート
ワークショップ4回目レポート

共創アートとは…

ビューティの枠を超えて、ファッションという違う視点を取り入れながら、ファッションデザイナーの山縣さんや参加サロン18名と共にビューティの新たな可能性やクリエイティブ力を高めていくことが出来る長期プロジェクト。

前回の2度目のプレゼン後、サロンが表現したい内容に沿うフォトグラファーをマッチングしていただき下記の組み合わせで決定。

<マッチング結果>

  • ■野村佐紀子さん:MINX、Of HAIR
  • ■川村優人さん:LIM、Rougy
  • ■リュウ・イカさん:GAME、ZELE

今回のワークショップまでにフォトグラファーと打合せを行い、最終的な作品のプレゼンを実施。

9月14日(火) ワークショップ4回目
テーマ:「Final presentation」

1.Final presentation  
―フォトグラファーとのマッチング後の最終発表―

ワークショップ4回目

緊急事態宣言下の為、今回も東京支店とスタジオをZoomで繋ぎながら開催。 レクチャーは最終回を迎え、参加者のモチベーションアップに繋がるように、冒頭に各サロンのオーナー・幹部の方々から参加者に向けた熱い応援メッセージをサプライズで放映。 サロンそれぞれの熱いコメントをもらい、参加者全員気が引き締まった状態から始まる。 サロンごとにフォトグラファーと打合せ後の最終的な内容を発表し、それに対しての総評を山縣氏から、またアート・プロデューサーの中西大輔氏、中西多香氏からアドバイスをいただく。

①MINX
テーマ:不自由≠自由 閉塞感、不自由から自由になる女性
仕上がりのイメージ:やぼったさ、パーマでエアリー感、マットでドライな質感を表現。モノトーン写真をイメージ。ベッドの上での撮影を予定。ベースメイク、プリーツの布を上にかぶせるなど。
ハーフのモデルを想定。くせ毛の女性、
アドバイス:ヘアスタイルとプリーツを合わせたものを実験しておき、発見したものをフォトグラファーと相談した方がよいのではないか。

②ZELE
テーマ:デザインズ 田舎と都会の融合
イメージ:歌舞伎町のネオンをバックに撮影。ヘッドドレスを固形の野菜と葉物で作成。 ニッカポッカを着用しグリッターメイクで近未来感を表現。
モデル:170cmのアジアンよりのモードなモデル
アドバイス:コロナ禍だからこそ撮れる写真にしてほしい。ダサいものが逆におしゃれだったりする為、ダイナミックに表現してはどうか。その為に色々なものを実験しておく。またリュウさんの作品がコラージュワークが多い為、相反するものとコラージュしても面白いと思う。その為に東京から離れた客観的視点で物事を見ているところがよいのではないか。

③LIM
テーマ:東京カルチャー
イメージ:カリスマ的女性。ブラックヘア、クラシカルな服。
時代を象徴するアイコン的なモデルを検討
アドバイス:ロケで撮影するのであれば、事前にストリートスナップを集めてもらうとよい。

④Rougy
テーマ:Rianti 原点回帰
イメージ:自然の中(公園や広場)での撮影。ワンピースもしくはパンツスタイルのクラシカルな服。ショートのカールヘアでセミウェットな質感を表現。  
アドバイス:ロケ場所やファッションのコーデをもう少し詰める必要がある。 テーマで掲げているRiantiに近い考え方でマルジェラがコレクションで発表したレチクラ(アップサイクル、リサイクル、レプリカの造語)がヒントになるのではないか。またショートヘアという男性的要素とファッションの組み合わせをどうするのか検討が必要。

⑤OfHAIR
テーマ:オリエンタルフェイス・・・・ 私だけではなく様々な繋がりを表現
イメージ:服を黒で統一。時代に合わせた恋人を設定。ただLGBTで区分けするのではなく同性の恋人という設定。海を越えた超遠距離恋愛を表現。(中国と日本をイメージ)海辺で岩がある場所で撮影を予定。 裸にジャケットとワンピースなど極力服を纏わない自然体で表現。写真はカラーをイメージ。
アドバイス:オリエンタルフェイス、アンビバレンスを表現する為にコロナ禍だからこそ触れ合うというのは単純なのではないか。寄り添いたいが寄り添えないみたいなものが写真に入っている方がいいのではないか。髪の色が違うモデル2人での画がどうなるかを考えた場合、モノクロでもかっこよくなるのではないか。 オリエンタルな感じが出ていていいのではないか。

⑥GAME
テーマ:和の要素と現代をミックス。
イメージ:サロンブランディングに合うようにボブからミディアムのハイトーンカラーのモデルを予定。バスケットボールのような赤色のメイクで田舎っぽさをイメージ。公園での撮影ではなくサロンのバーで撮影。仕込みから撮影をしてもらい素材をミックスした写真にする。 ファッションはVネックで和のテイストを入れる。魔法的な違和感を表現できれば。色はブライトカラーをイメージ。
モデル:一人よりインパクトが出る為、モデルは3体をイメージ。オレンジ、水色、黄緑のヘアのモデルで撮影を予定。
アドバイス:テーマなど全体的には良いのではないか。サロン名のMagicoを上手く表現していって欲しい。またバーの空間・ライティングとヘアカラーの色、服の色がいい意味で違和感を表現できるのではないか。特に衣装が重要になってくる為、レンタルショップや古着屋でいくつか借りて試してみてはどうか。
総評: 方向性が決まって良かったが、ドローイングやコラージュ、試作などがあり、その中でモデルが決まっていくような思考のプロセスと作業のプロセスをもっと見たかった。写真家がいて、ヘアメイクがいて、スタイリストがいてなどチームで物事を進めていく場合、どれだけのプロセスを踏んでいるのかで信頼のされ方も変わってくる。今回実施しているプロジェクトはヘアメイクをもっと発信して欲しいという想いで、ヘアメイクを先に考えながら衣装やモデルという流れで、サロンが中心となり進めている為、プロセスは非常に重要になる。今後撮影までに現場に下見にいきライティングを試したり、オブジェで撮影して光の当たり方を確認するなど是非とも様々な実験をして、フォトグラファーの方とやり取りしていって欲しい。

<4回目のワークショップを終えて>

今回が最後のレクチャーとなり、各サロン真剣にプレゼンに挑まれていたことが伝わってきた。今回のアドバイスを受け、フォトグラファーの得意とする表現とサロンが表現したいものが上手く融合し、撮影時に化学反応が起こる予感がする。